have 〜ふところの近くに所有している状態〜

英語のことばの中で最も使われる単語、have。

学校で習ったように、まずは「〜を持つ」という意味が思い浮かびますよね。

以前に流行した歌の歌詞で、I have a pen…は「私はペンを持っています」と訳すことができます。

しかし「現在完了:have + 過去分詞」という文法が出てくると、haveの元々の意味と区別するのに苦労した人も多いのではないでしょうか。

しかも、現在完了で表されるのが一見関連性のなさそうな「経験・継続・完了」。3つのうちどれを表していますか、なんて聞かれると、ますます混乱しますよね。

haveの根源的な意味は、『動詞がわかれば英語がわかる』(田中茂範/川出才紀 著)によると、X have Y.という文の場合、「XがYを自分の所有/経験空間にもっている(p.55)」とあります。

もう少しかみ砕くと、「人・経験・モノを物理的もしくは心理的に近いところに所有している」と言えます。

例えば、I have a pen. も、たまたまペンを手にしているのではなく「自分の所有物としてペンを持っている」ことが分かります。

あの歌のように手に持っていることもありますが、もしかすると家にあるかもしれません。その場合は、I have a pen at home. となりますよね。

もし、ペンの所有とは関係なく、ただ物理的に「今、ペンを手に持っています。」と言いたい場合は、I am holding a pen. となります。

I have a family. という文も、「私は家族というものを一時的に手に持っています」のではなく、自分を取り巻く人間関係を表す一つの要素として「家族がいること」を示しています。なので、物理的に遠く住んでいる場合でも「心の中の近いところに家族がいる」こともあるでしょう。

同じように、I have a close friend. 「親友がいます」とか I have a brother. 「兄弟がいます」なども、自分が影響を与えられる人間関係(所有空間)を表しています。

最初につまづきやすい現在完了 have + 過去分詞も、その出来事や習慣を心理的に所有している状態を表しています。

たとえば、I have been to Europe. 「ヨーロッパに行ったことがあります」という文も、まるで今自分が持っている「経験したことのあるリスト」からパッと出てきた印象を与えます。

I have finished my work.「仕事を終えました」という完了を表す文も、仕事が終わった状態を変わらずそのまま保持していることが分かります。

I have been working for over 20 years. 「20年以上働いています。」という文も20年以上働いている継続状態を自分で抱えていることがわかります。

少し具体的な例を出してみましたが、共通するのは自分が物理的・心理的に抱えている人・モノ・経験・状態だと言えます。

簡単な例だと、I have breakfast/lunch/dinner. 「朝食/昼食/夕食をとる」も、別に手に朝食を手に抱えているのではなく、食事をとるという経験を自分の中に取り込む様子が分かります。

haveなのかholdなのか、過去形なのか現在完了形なのか混乱したときには、「自分のふところの近くに所有しているかどうか」を判断基準にしてみてください。

単語の話と文法の話がごちゃまぜになりましたが、haveはそれほど大切な英語らしいことばであるといえます。

haveが分かるようになると英語の理解力が一気に高まりますので、ぜひマスターしてみてくださいね。