GiftとPresent の違い -「与えること」と「存在すること」-

年末も近づき、なんだかソワソワする時期になりましたね。

日本では、クリスマスもすっかり定番の行事となりました。色んなお祝いごとを宗教関係なく吸収して、自分のものにしていく様子から、日本特有の寛容性と、新しいモノ好きな国民性が表れている気がしますね。

さて、クリスマスといえばクリスマスプレゼント。何を買うか色々悩んだり、何をもらおうかなと楽しみだったりしますよね。

最初に渡米したとき、日本ほどBirthday present (誕生日プレゼント)やChristmas present (クリスマスプレゼント)というフレーズを耳にしないなと思った記憶があります。

それよりも、I have something for you. 「あなたに渡すものがあるよ」とかThis is a gift for you. 「これはあなたへの贈り物」といったフレーズの方がよく聞いた気がします。

presentとgift 、どちらも「贈り物」と意味なのですが、それぞれの言葉の由来を知るとその微妙なニュアンスの違いが見えてきます。

gift はgive動詞「与える」から

giftという言葉は、動詞「与える」という意味のgiveから派生しました。「与える」というと、少し仰々しい印象ですが、最もよく使われる動詞の一つと言えます。

『動詞がわかれば英語がわかる』によるとgiveの本来的な意味は、

自分のところ(テリトリー)からあるものを外に出す

『動詞がわかれば英語がわかる』(田中茂範/川出才紀)

とのこと。「テリトリー」というのはhaveの記事で説明したように、「自分のふところに近いもの」という感覚です。そこから何かを移動させること。

つまり、giftとは「所有物の移動」を表すと言えるでしょう。

神から与えられたgift―才能―

giftにはもう一つ、重要な意味があります。それは「才能」です。

日本語でも「天賦の才能」と言うように、「天(神)」から与えられた才能についても、giftという言葉で表せるのです。

例を見てみましょう。

She has the gift of speech. 「彼女はスピーチの才能がある」

giftを動詞にして、受動態から形容詞的な使い方も見られます。

He is a gifted artist. 「彼は才能ある芸術家だ」

My son is gifted in music. 「私の息子は音楽の才能がある」

以上のように、giftには「神から与えられるもの」というニュアンスも含まれているのです。

存在自体が「贈り物」

一方のpresentはどうでしょうか。presentにはたくさんの意味がありますが、本来的な意味は「いること・存在すること」。

先日読んだ本には、このように説明されていました。

プレゼント(present)という言葉の語源は、ラテン語のesse(=to be)にある。つまりプレゼントとは「生きて・いる」ことであって、存在(presence)そのものが贈与であるということ。

『自分をいかして生きる』(西村佳哲)

生きていること自体が贈り物って、なんだか素敵な考え方ですよね。

presentには、名詞になると「今、現在」という意味でも使われます。

Don’t look back on the past. Live in the present. 「過去を振り返らないで。今を生きて」

少し哲学的ですが、「生きる(存在する)」というのは「今、この瞬間」と切り離せないんだなと、この言葉から感じることができます。

giftとpresentの使い分け

では以上のことを踏まえて、「贈り物」という意味で使いたい場合、どのように使い分けたら良いのでしょうか。

giftが「所有物の移動」を示すと解説しましたが、「才能」と同じように所有物は物質的なものとは限らないのです。

例えば、「お金をあげること」や「旅行に連れていってあげること」など、目に見えない形の贈り物も含むということです。

一方、presentは「存在すること」が重要なので、目に見える贈り物のことを指します。

また、giftは形容詞的に使うこともできますので、gift card 「ギフトカード」やgift box 「ギフトボックス」といったように、他の名詞の前につけて使うこともできます。presentを使い方をすると、「現在の〜」と捉えられてしまいます。

そのため、presentの方が意味としても使い方としても限定的かもしれません。

使い分けの前に、その言葉の背景を感じること

日本語でもよく使われるgiftとpresentの違い、なんとなくお分かりいただけたでしょうか。

大事なのはちゃんと使い分けようとすることよりも、その言葉の本来の意味を感じることです。

その言葉が持つ意味をイメージできたなら、自然とその言葉の方からベストなタイミングで「今使うんだよ」って教えてくれる、そんな気がします。

Merry Christmas…!

参考記事:What’s the Difference Between a Gift and a Present?(英語)

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