数年前からネット上で、上の図のような「自分の天職を見つけるためのベン図」が出回っている。
出自は様々だが、2011年頃から出始めたらしい。(参考ブログ)
そして、2017年にスペイン生まれのHector Garciaさんが、日本人の「生きがい」にフォーカスした本『Ikigai: The Japanese secret to a long and happy life』「生き甲斐:日本から学ぶ、長生きで幸せな人生を送るための秘訣」(私訳)を出版しヒットした。その裏表紙がこちら。
このベン図、人によって円が指し示す内容が違っていたり、日本語訳もさまざま。
誰が最初に作ったか分からないが、「これは自分のアイディア!」と誰も主張していないところが良い。
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このベン図に最初に出会ったとき、心がうずいた。
なぜなら、その時わたし自身、自分が向いている仕事、自分しかできない仕事を模索中だったからだ。
それぞれの円が何を示しているのかを知り、自分自身の仕事探しに役立てたいと思った。そして、他の人にも元のエッセンスをできる限りそのまま受け取ってもらいたいと思い、使用されている英語の語源を解説しながらこのベン図を活用する資料を作った。
そして、最初にこの図を紹介してくれた藤井麗美さんの「Bliss:直感と情熱を信じ、スキルと価値をつなげるライフ・リデザイン・コーチングプログラム」に先日参加し、修了した。
What keeps me away from Bliss? – 至福を遠ざけるもの –
Blissは- 至福-と訳される。
仕事における、人生における至福。
「好きなことを仕事にしなさい」
そう謳う自己啓発本はたくさんある。
でもそもそも好きなことって?
「好きなこと」というと、どうしてもキラキラとした、他人にとっても受け入れやすいものというイメージが湧いてしまう。
すると、「そんなものないよ」という心の声が聞こえてきたり、万人受けしやすい、もしくは仕事にしやすいものを思い浮かべてしまう。
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一方、「Bliss」とは「心の深いところで感じる、静かな喜び」というイメージがある。
たとえ誰かに評価されなくても、もくもくとやってしまうこと。
誰にも奪われないような、静かな喜び。
講座を受けて気付いたことは、そもそも他人から承認されるためにBlissを探していた、ということだった。
社会で認められないと意味がない、と。
でも本来のBlissとは、誰からも与えられることがない、そして誰にも奪われない静かな喜びなはず。それを承認欲求に譲ってしまっていた。
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他人に認められること。
それが大事なときもある。でも、他人や社会から付与された価値と、私本来の価値をイコールにしてはいけない。
私たちは、競争社会でも生き抜けるよう、常に自分の市場価値を高めることが良しとされる教育を家庭や学校で受けてきた。
価値を比べあい、限られたハシゴを登っていく時代。
でも時代は移り変わっていく。
奪い合うのではなく、分け与えることで共に生きていく時代へ。
もともと持っているBlessing、恵みを活かすことで貢献する時代へと。
Courage to live with vulnerability – もろさと共に生きる勇気 –
この図を使って自分の「いきがい」を見つけるとき、ある覚悟が必要になるかもしれない。
自分の心の奥深いところにある、柔らかい部分に触れる覚悟。
日の光に当たらず、弱々しくて、触ると崩れてしまいそうなほど繊細な。
あなたがずっと隠してきた部分。
「誰にも受け入れられない」「そんなのお金にならない」
そんな部分に光をあて、世界に、そのもろさを見せる勇気。
講座の中で見た映画、『Finding Joe』。
その中で、こんな一節があった。
Do the things that scare you. Courage is what comes after.
「自分を脅かすことをただやってみよう その後で 勇気がやってくるよ」
その勇気を持って取り出し部分は、
ようやく日の光を見せてもらったこと、そして受け入れてもらったことへの