以前わたしが翻訳・編集した「評価のシート」の実践講座を11月25日に開催しました。
ちょうど夫婦間でホットな話題があったので、わたしも一参加者としてペアで話を聴いてもらいました。
この評価のシートと出会って翻訳・編集して以来、わたし自身がトリガーされたとき、もしくは誰かの話を聴くとき、意識的にこの表を取り出していたので、「評価はこれかな」「ニーズはこれかな」というように、だいたい当たりがつくようになってきました。
ですが、やはり他者の「共感的な存在、共感の耳」の力は大きく。
目からうろこな部分もあったので、夫の許可を得た上で、どんな風に表が活用されたかシェアします。
観察・ストーリー・嘆き
わたしから見たストーリーはこうでした。
以前から夫が仕事のことで、食卓や日常の様々なところでその悩みを話してくれます。
もちろんできる限り共感の耳を持って話を聴いているつもりですが、やっぱり本人が観ている世界を変えるにはNVCを学ぶことが一番だと。
何度かNVCを学ぶことを薦めたのですが、毎度「う〜ん」というような反応で。
NVCコミュニティの掲示板で、「これなら夫でも取っ付き易いかも」という講座があったので、その講座の詳細を夫の横で探しているときでした。
わたし「これなんてどう?男性が主催者だし、ビジネス寄りみたいだし」
夫が「でも今忙しいからさ」
わたしの頭の中では「忙しいって言ったって、通勤していないじゃん」とか「そう言って自分の世界が変わるのが恐いんじゃないの?」なんて考えがよぎりました。
このときどのように伝えたか、はっきりとは覚えていませんが、そういうエネルギー・存在で何らかの応答をしたのは覚えています。
その後、夫から「あのとき、忙しいって言ったのに全然取り合ってくれなかった。自分の状況を理解しようしてくれなかった」と不満そうに言われ、一悶着ありました。
その発言を攻撃として受け取って反発したり、一方で思いがけず彼を傷つけてしまったことに心が傷んだり。。
NVC(非暴力)を暴力的に薦めてしまった自分が悲しかったし、自分がした提案が取り合ってもらえなかったことへの残念さ。
その後、ロバート・ゴンザレスの講座に出て、「感謝と嘆き」というペアプラクティスをする中で感じたのは
I long for a safe, lively, meaningful and compassionate partnership with him. ということ。
お互いが、それぞれの仕事でいきいきとして、安心できる思いやりの溢れたパートナーシップ。お互いの存在の相乗効果で、1+1が3にも4にも、100にもないうるような関係性。
その関係性のビジョンが見えていたからこその、嘆き、悲しみ。
NVCを学んでくれなかったことではなく、NVCを学ばせようとして分離して、その関係性から遠ざかってしまったことへの嘆き。
このSweet painとも言える嘆きに浸って、身体が開くのを感じました。
シートを使って共感的に聴いてもらう
もう自分としては、嘆きから「憧れ」につながったので、完了したとも言える内容でしたが、せっかくなのでもう一度その場に訪れてみました。
すると出てきたのは
「42 感謝してもらえない:unappreciated」。自分の中でも「そう、本当は感謝してほしかった。あなたのために思って色々と考え、提案したことを感謝してほしかった」という気持ちが出てきました。
次に出てきたのが「52 必要とされない:unwanted」。「あ〜、わたしは用無しだと思っていたんだ」と。ここらへんから、よく自分の中でみかけるパターンが出てきます。
誰かに必要とされたい。社会で必要とされたい。だからこそ頑張りすぎてしまったり、他者承認を求めてしまったり。
このニーズの中で「参加」というのがあって、「夫の自己実現、いきいきと働けるような仕事を見つけるプロセスに参加したかった」という気持ちが出てきました。
そして最後に出てきたのが「19 おびえて萎縮した」でした。ペアになって聴いてくれた方が、わたしの「夫が不機嫌にならないように」という部分を拾ってくれて気付けたことでした。
感情は「怖い・不安」。ニーズは「安全」。そう、夫とも話し続ける中で「私は怖い。またあなたを傷つけるんじゃないかと。またあなたに攻撃されるんじゃないかと」と話していました。
このときに身体が震えるのを感じました。
「そうだ、私はいつもビクビクおびえている。誰かの機嫌を損ねないか。誰かから、突然理不尽なことで攻撃されないか」と。
おびえ。
この感情はもう少しケア・観察したいと思っていますが、
面白いなと思ったのは、この話を夫にしたところ、
「俺もあなたに同じようにおびえている」とシェアしてくれました。
お互いがお互いの機嫌を損ねないよう、おびえ合う2人の姿が見えました。
じゃあどうしたら良いんだろう?
その先はまだ見えていないけど、何か大切なことに気付けた感じがしています。